新宿にて。園子温新作。劇場も満員で、園作品への期待度の高さ、また観客の興味を誘う企画アイデアのよさを感じました。映像、ストーリー共に迫力がある作品だと感じましたが、本作についてはいくつか疑問もあり、そのあたりについて書きます。 見終えた感想としてまず、主人公の少年・住田がなぜ鬱屈し、死に魅入られているのかがよくわからなかった。住田は本当にたくましくしっかりとした少年だ。暴力団に脅されても屈せず立ち向かい、教師や大人にも自分の意見をはっきり言い、悔しさや憤りをあれほどに大声で叫ぶことのできる中学生などなかなかいない。少なくとも中学生のわたしは、住田のような意志もエネルギーもない、主体性に欠けた子どもだった。たいていの鬱屈した子どもは住田よりもずっとか弱く、意志に欠け、殴られてもうつむくだけで、小さな声しか出せないだろう。あれほどの意志とエネルギーを持つ住田が、なぜ鬱屈した少年として描かれるの