麻生太郎首相の指示があいまいだったり、すぐに変更されるため、与党・政府内で混乱が生じている。総額2兆円の定額給付金では「全所帯支給」と表明後に方針を変更し、いまだに正式な決定に至っていない。道路特定財源のうち1兆円を地方に移譲する、との指示も、支給額の解釈をめぐって閣内の不一致が露呈した。あまりの混乱ぶりに、与党や関係省庁からは首相の統治能力を疑問視する声も出始めた。 ◇相次ぐ政府批判 「最初の首相発言(通り)、全所帯で良かったのではないか」。野田聖子消費者行政担当相は7日の閣議後会見で、定額給付金について、政府・与党が検討する所得制限に否定的な見方を示した。所得制限には、与謝野馨経済財政担当相が必要との考えを示す一方で、中川昭一財務・金融担当相が年度内の支給を優先して制限に慎重な意見を表明しており、政府方針がなかなか定まらない。 政府内の混乱に自民党はいら立ちを募らせる。約1時間に及んだ