電気グルーヴの作品を、いつも歌詞カードを熟読しながら聴いてしまう。 「あぁ、面白いよねぇ。バカで最高!」という同意の声、あるいは「え、そんなの真面目に読んでるあんたが馬鹿じゃないの」と鼻白む声が聞こえてきそうだが、今回のテーマは電気グルーヴの歌詞の、面白さ、ではなく、響きの素晴らしさについてである。 電気といえば、「富士山」や「誰だ!」などのオモシロ系、たまに飛び出す「N.O.」や「虹」などのナイーヴ名曲、あとは当然「Shangri-La」が代表曲。そんな認識は間違っていないと思う。実際、楽曲のベクトルはいくつかに分かれるが、作詞家としての石野卓球&ピエール瀧は、常に一貫した手法を取っている。「深い意味がないってことでしょ?」と先に回答されてしまいそうだが、ちょっと違う。彼らは、聴けば意味の通じる「訓読み」のコトバではなく、前後があって初めて意味を成す「音読み」の歌詞を書く。大事なのは音の
![電気グルーヴの歌詞はなぜ気持ちいい? コトバが生み出すグルーヴを考察](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/65d65c8b3790f9752a2d77a9e3974dfd89bfb657/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Frealsound.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2017%2F05%2Fdenki.jpg)