光文社の書籍というと、柔らかいモノという先入観があるが、これは正真正銘 学術の世界で起きている凄い話を、一般に分かりやすく当事者が書いた書物 である。なんで、光文社が版権を取ったのか謎だが、ともかく滅法面白い。(光文社というと、たぬ吉さんのリストラなうもあったりして、今はこんな、読者の限られる堅い書籍を出せるかどうかは分からないが。) 1998年10月にクリスティーズのオークションで、あるアメリカ人に落札された、一冊の羊皮紙本。見た目はボロボロで、経年劣化してるだけでなく、黴にもやられており、現況は祈祷書に作り替えられているのだが、 削られた羊皮紙の上に、未知の「アルキメデスの写本」のインクの痕が残っている のである。 そのことは20世紀初めに知られており、一度、調査されたのだが、一旦、世間からこの本は消えた。 再び世に出現したとき、 手の施しようのない程傷みきっていた のだが、時は20世