防衛庁発足(1954年)以来の長官は53年間に65人が任命され平均10カ月であった。国務大臣とはいえ(防衛庁)長官だから軽視されるので、(防衛省)大臣ともなれば重用されるに違いないと見る向きも多かった。 しかるに防衛省(2007年)になって以降の大臣はたった5年間で既に10人で、さらに短命(平均6カ月余)である。 大臣が省務・隊務を掌握する時間がなければ、問題の所在さえ分からず、解決のしようもない。普天間問題の膠着は首相の無理解にも原因があるが、安全保障上の立場からしっかり意見できる防衛大臣がいないことにより大きく起因している。 新大臣が着任すると、初度視察と称して陸海空自衛隊の部隊回りが行われる。当然のことながら、視察を受ける部隊は予定の教育訓練を変更して対処することになる。 現状のままを見たいと言われても、見せる側は節度ある状況を見せたいと思うし、整理整頓をはじめ対応準備に否応なく時間
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