【コラム】日銀が投げた変化球、世界の市場揺らす-モス&リーディー コラムニスト:Daniel Moss、リーディー・ガロウド 日本銀行は長年の超金融緩和へのこだわりを捨てるための小さな一歩を踏み出した。しかし、日銀が正常に近い政策へと勢いよく進むとは思わない方がいい。そのような動きが起こるとしても、ずっと先のことだ。 他の多くの中央銀行と異なり、日銀はまだインフレを引き起こしたい段階だ。日銀は7月28日の金融政策決定会合で一定の前進を認め、すぐにそのメッセージを打ち消した。 これが、今回会合の中途半端な結果を理解する鍵だ。日銀は長期金利の上昇を容認し、10年債利回りの上限0.5%が維持されると予想していた大半のエコノミストを驚かせた。しかし、植田和男総裁は、少数派が想定していたような0.75%への具体的な上限引き上げや、上限を完全に放棄することは控えた。 その結果、0.5%という数値は形式