次世代太陽電池の本命と期待される「ペロブスカイト太陽電池」の性能は構成する素材やそれを扱う技術の力も左右する。ペロブスカイト太陽電池をめぐる素材と関連技術の動向を追う。 ITO代替、安価に ペロブスカイト太陽電池にフィルム基板を用いる場合、透明電極材料としては一般に「酸化インジウムスズ(ITO)」を成膜する。ただ、ITOは希少金属のインジウムを含むため高価だ。この代替材料として比較的安価かつ、溶液塗布の工程で基板に成膜できる、高い導電性や透明性を持つ「銀ナノワイヤ」が期待される。銀ナノワイヤは、太さがナノスケール(ナノは10億分の1)のワイヤ状の銀だ。星光PMC(東京都中央区)は14年に銀ナノワイヤの量産設備を稼働し、関連の技術やノウハウを蓄積している。 ITOは、溶液の塗布ではなく真空蒸着で成膜する。一方で、電子輸送層やペロブスカイト層、正孔輸送層はそれぞれ溶液を塗布して成膜できる。銀ナ