最近、江戸時代の良さを見直そうという言説が巷に溢れている。鎖国や身分制度、貧農社会の果てに頻発した飢饉といった負の歴史認識から脱却し、「江戸時代の日本は美しかった」と肯定的に評価しようとする動きである。 細川護熙元首相 =2014年1月(小野淳一撮影) 月刊誌「文藝春秋」の最新号でも、わが国の人口減少をテーマにした特集の中で、「江戸時代の日本に戻れ」という見出しの論考があった。執筆者は細川護熙元首相である。国立社会保障・人口問題研究所がまとめた推計によれば、日本の総人口は100年後には4500万人まで減少し、江戸時代とほぼ同じ水準に戻るという。 細川氏はこうした人口減少と超高齢社会の現実を受け止め、「あらゆる面で背伸びをせず、分相応を意識して徐々にダウンサイジングを図り、今後の低成長を前提に置いて考え方や生活様式を改め、『サステイナブル(持続可能な)』社会を作っていくべき」と説く。見出しと
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