殺人などの罪に問われた無職、高見素直(すなお)被告(43)に先月31日、1審大阪地裁の裁判員裁判が死刑を宣告した大阪市此花区のパチンコ店放火殺人事件。弁護側の控訴により、審理は大阪高裁に移る見通しとなった。1審では死刑は違憲だとする主張を前面に押し出した弁護側に、遺族らは「事件と死刑の問題は関係ない」「裁判とは別の場で議論すべきだ」と激しく反発。弁護側は控訴審でも同様の主張を維持する構えだが、裁判員制度導入後、高裁は1審の判断を尊重する傾向が強まっており、逆転は難しそうだ。 弁護側が「絞首刑は憲法が禁ずる残虐な刑罰に当たる」と主張する方針を明らかにしたのは、公判前整理手続き。検察側は反対したが、和田真裁判長は弁護側請求の証人2人を採用した。裁判員法はこうした法令解釈についての判断は、裁判官のみで行うと規定。一方で裁判員の審理への立ち会いを許可できるとも定めており、和田裁判長は「意見を参考に
印刷 びっしりと文字がつづられた死刑囚からのアンケートの回答。絵や俳句で表現したものもある=東京都港区 「いつ処刑されるかおびえながら生きています。同じ人間です」――。死刑廃止を求める市民団体が全国の確定死刑囚120人(6月現在)にアンケートを送ったところ、86人から回答が届いた。裁判員裁判で市民も死刑の判断を迫られる時代。生の声を通して死刑の現実を伝えたいと、8日に東京都内で開く集会で紹介する。 「死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90」が2008年に続いて実施し、回答は初回の77人を上回った。確定した死刑囚は親族などを除いて面会も制限されるため、死刑囚の生の声が一度にこれほど集まるのはまれだ。 初回の回答者のうち11人が死刑を執行され、6人が獄中で病死。その間、裁判員裁判が始まり、死刑判決も出始めている。4日現在の確定死刑囚は戦後最多の121人に上る。 寄せられた回答には
2011年9月21日に米南部ジョージア(Georgia)州で死刑に処されたトロイ・デービス(Troy Davis)死刑囚(撮影日不明)。(c)AFP/GEORGIA DEPARTMENT OF CORRECTIONS 【9月23日 AFP】米南部ジョージア(Georgia)州で21日、警官を殺害したとして1991年に殺人罪で有罪判決を受け、以来20年間にわたり無罪の主張を続けて、世界の死刑廃止運動の象徴ともなった黒人のトロイ・デービス(Troy Davis)死刑囚の刑が執行された。 人種差別による冤罪(えんざい)の可能性があるデービス死刑囚の事件は、世界の死刑反対派の間でよく知られており、刑の執行にはジミー・カーター(Jimmy Carter)元米大統領、ノーベル平和賞を受賞した南アフリカのデズモンド・ツツ(Desmond Tutu)氏、ローマ法王ベネディクト16世(Pope Benedi
すでにご存知の方も多いと思いますが、この数日、アメリカのメディアはジョージア州で死刑を執行される予定であった―そしてついに執行されたある死刑囚の話題を大きくとりあげていました。いくつかの記事に目を通したにすぎない私としてはこれを軽々に「冤罪である」と主張するわけにはいきませんが、証人となった目撃者の多くが後に証言を覆したことだけを考えても冤罪の可能性を真剣に考える必要性があったことは否定できないでしょう。死刑囚は「アフリカ系アメリカ人である」「警官殺しの嫌疑をかけられた」「ジョージア州に住んでいた」という三重の不利益をこうむっていた、という指摘もあります*1。 本来であれば、「死刑制度は正義の実現に貢献する」と考える人びとこそが、だれよりも冤罪の可能性について敏感であるべきです。真犯人の代わりに無実の人間を死刑にしたとすれば、死刑支持派は1人の人間を不当に殺害することにコミットし、将来真犯
基本的には僕は死刑反対の側に立つが,以下の条件が整えば死刑に賛成するだろう。・裁判官が全知全能の能力を手にすること(冤罪は絶対に起こらない)・自動処刑装置が完成すること(刑務官が苦悩に苛まれることはない)・希望する遺族には処刑への立ち会いもしくは参加が許されること これらが整備されていない条件で行われる死刑はあまりにも危うく非人道的であると考える。よって僕は,今回の死刑執行には反対し,また死刑の執行停止を求める。 上で書いたことからわかると思うが,「国家が犯罪者を殺すこと」じたいは,何ら悪いとは思わない。それが悪いという主張は理解できないし,するつもりもない。ただし死刑には常に冤罪の恐れや刑務官への過剰な負担が付きまとう。これをそのままにしたまま賛成に与することは僕にはできない。
中国・北京(Beijing)の学校で、教職員に護身術を教える警察官(2010年4月29日撮影、資料写真)。(c)AFP CHINA XTRA 【5月15日 AFP】中国東部江蘇(Jiangsu)省泰興(Taixing)市の中級人民法院は15日、前月29日に泰興市内の幼稚園にナイフを持って侵入し、園児29人と教師2人、警備員1人を刺してけがをさせたとして意図的な殺人の罪に問われていた徐玉元(Xu Yuyuan)被告に死刑判決を言い渡した。中国国営の新華社(Xinhua)通信が伝えた。 9年前から失業しているという徐被告は公判で、社会に対する怒りが犯行の動機だったと語ったが、誰も死亡していないのに死刑は罪が重すぎるとして上訴した。 新華社は、被告は殺害には至らなかったものの、法廷は卑劣きわまりない動機による極めて残酷で邪悪な犯行だったと判断したと報じた。新華社は被害者のうち4人は重傷だと報じて
【瀋陽=西村大輔】中国当局が麻薬密輸罪で死刑判決が確定した日本人、赤野光信死刑囚(65)の死刑を執行する方針である問題で、赤野死刑囚が親類など関係者と接見した際に「いい加減な取り調べや裁判で死刑になるのはたまらない」などと不満を語っていたことが、関係者の証言でわかった。赤野死刑囚は覚せい剤を密輸しようとしたことは大筋で認めているが、捜査や公判(二審制)過程に強い不信感を持っているという。 赤野死刑囚は2006年9月、遼寧省大連の空港から別の男と2人で、茶筒に詰めた覚せい剤計約2.5キロを日本に密輸しようとしたとして警察に拘束された。中国刑法では、50グラム以上の密輸の最高刑は死刑となっている。 関係者によると、赤野死刑囚は警察の取り調べについて「中国人の通訳がひどすぎて、正確な調書が作成されたか疑わしい」と話しているという。また、一、二審とも初公判の数カ月後、すぐに判決公判が開かれたと
今月下旬から鳥取地裁で、被害者2人の強盗殺人事件を審理する裁判員裁判が始まるのを受け、市民や労働組合などのグループが16日、「人の命を奪う決断を迫られるのは絶対嫌」などと制度の廃止を訴え、県庁や地裁の前をデモ行進した。 公判は23日から始まり、市民から選ばれた裁判員が、極刑を選択するかどうかの判断を迫られる可能性があるとして注目されている。 参加者約20人は正午ごろから鳥取駅前で集会を開催。横断幕などを手に、「多数決で死刑を決める制度はいらない」などと声を出し行進した。 参加した池本俊子さん(70)は記者会見で「裁判官でも死刑を言い渡したことを後に悔やむことがあるのに、一般人にできるのか」と話した。
死刑制度に対する意識を探る内閣府の世論調査で、死刑を「やむを得ない」と容認する人の割合が過去最多の85.6%となったことがわかった。内閣府が6日付で結果を公表した。同じ質問で1994年から5年ごとに調査が続けられているが、回を追うごとに容認派が増えている。 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、世界197の国・地域のうち「事実上の廃止」も含めた死刑廃止国・地域は139で7割を超え、国際的には死刑廃止の流れが定着している。2008年には国連規約人権委員会が日本政府に「世論に関係なく廃止を検討すべきだ」と勧告するなど風当たりは強まっているが、政府は「世論の支持」を根拠に存続の姿勢を崩していない。 調査は昨年11月末から12月初旬にかけて、全国の20歳以上の男女3千人を対象に面接の形で実施した。有効回答は1944人(64.8%)。 死刑の是非は三つの選択肢を示して尋ねた。「
死刑について、「場合によってはやむを得ない」と容認する声が85%を超え、否定的な意見を大幅に上回っていることが6日、内閣府の発表した「基本的法制度に関する世論調査」で分かった。また、政府の法制審議会で「廃止」が検討されている殺人などの公訴時効についても初めて調査され、54・9%が「短い」と回答。結果について、法務省は「死刑は肯定的に受け止められ、時効制度見直しも求められている」と説明している。 調査は昨年11月〜12月、全国の成人3千人に面接で実施。64・8%(1944人)から回答を得た。 死刑制度について、「場合によってはやむを得ない」と肯定する回答が85・6%で、「どんな場合でも廃止すべきだ」の5・7%を大幅に上回った。平成16年の前回調査で肯定したのは81・4%で、約4ポイント増。死刑についての世論調査は昭和31年から9回目で、質問はやや異なるものの、死刑容認派は今回が過去最多だった
火災が起こり、多くの死傷者がでたパチンコ店付近。壁には黒く焦げた跡が残る=大阪市此花区で2009年7月5日、本社ヘリから撮影 09年7月、大阪市此花区のパチンコ店に放火し、5人を殺害、10人に重軽傷を負わせたとして、殺人罪などで起訴された高見素直(すなお)被告(42)の裁判員裁判で、死刑求刑が予想されるとして、弁護人が「絞首刑は残虐で違憲」と主張する方針であることが分かった。海外事例などから残虐性を客観的に立証する異例の弁護といい、「裁判員が審理する以上、死刑の執行方法をよく把握してもらった上で議論すべきだ」としている。 凶悪事件では、死刑が確定したオウム真理教の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚の裁判など、死刑の違憲性を主張する弁護はあった。しかし、死刑廃止をうたう国際人権規約に反することなどが理由で、具体的立証まではなかったとされる。 高見被告の弁護人は、絞首刑の残虐性立証のため、海外事例な
死刑は残酷な刑罰を禁止した憲法に違反するという主張に対して、苦痛を和らげる工夫がしてあるから残酷ではないので合憲というのが、これまでの死刑制度支持の主張だった。 ほんとうにそうなっているかはさておき、とにかく自殺するには死刑が楽だということになる。公費を使って比較的楽に死なせてくれて、そのため凶悪犯罪を起こし、ついでに道連れを作り、自分を疎外した社会に対して無差別な復讐ができる。 そこで、このところ人生に絶望した人が死刑になろうとして犯行に及ぶ事件が相次いでいる。茨城県土浦市の連続殺傷事件もそうで、水戸地裁で死刑判決を言い渡された被告は控訴を取り下げ死刑を自ら確定させた。 死刑でなくても、かつては懲役のほうが衣食住の心配がないと、わざわざ犯行に及ぶ者がいた。それが減ったのは、社会が豊かになり、最低でも刑務所よりはマシという状態になったからだ。 つまり、死刑制度を否定しないのなら、死刑になり
奈良市で平成16年、市立富雄北小学校1年の有山楓(かえで)ちゃん=当時(7)=が誘拐、殺害された事件は17日で発生から5年。楓ちゃんの父、茂樹さんと母、江利さんは一問一答式の取材に対し、楓ちゃんや小林薫死刑囚(40)に対する思いを寄せた。主な質問と回答は次の通り。 −−来年3月に、楓さんの同級生が小学校を卒業する。同級生や同年代の子供たちに伝えたいことは 「思い出はかけがえのない宝物の一つです。命ある限り思い出は作られます。その思い出を糧に夢に向かって歩んでいってほしい。また、家族から授かった大切な宝である命の使命を考え、意識して生きていってもらいたいと思います」 −−卒業を迎える楓さんに対して伝えたいことは 「楓に伝えたいことは言葉で表しきれないぐらいたくさんあります。ただ、最初に出てくるのは「守ってあげられなくてごめんね」という思いです」 −−楓さんのもので、何か携えているものは 「楓
米カリフォルニア(California)州サン・クエンティン刑務所(San Quentin Prison)の薬物注射執行室(撮影日不明、資料写真)。(c)AFP/CALIFORNIA DEPARTMENT OF CORRECTIONS ※この記事はショッキングな表現を含んでいますのでご注意ください。 【10月18日 AFP】米国の死刑といえば、医学処置による人道面にも配慮したものだと思われているが、ときに中世の拷問とも違わぬ陰惨な最期を悶絶しながら遂げる死刑囚もいる。 絶叫、体が焦げる匂い、あまりの残酷さに立会人たちは気絶する・・・「犬猫の殺処分のほうがもっと人道的です」。1992年にアリゾナ(Arizona)州で死刑に立ち会った記者カーラ・マックレーン(Carla McClain)は語った。このとき刑を執行されたドナルド・ユージーン・ハーディング(Donald Eugene Hardin
パリ(Paris)で死刑制度に対する抗議デモを行う国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)とFrench Acat(Action by Christians for the abolition of torture)のメンバーら(2009年7月2日撮影)。(c)AFP/EMILIEN CANCET 【9月10日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は10日、「残酷で非人道的、品位を傷つける」状態におかれているために、日本の多数の死刑囚が精神障害を発症する危険にさらされているとの報告書を発表した。 報告書によると、日本の死刑囚97人は、死刑が執行されるのかどうか、また、いつ死刑が執行されるのかわからない状態のまま、死刑執行の日を待つ毎日を送っている。この不安定な状況が、死刑囚に非常
法務省は28日、3人の死刑執行に踏み切った。政権交代をかけた衆院選の直前。野党の死刑反対派の議員からは批判の声が上がった。 法務省内で記者会見した森法相は、半年ぶりの執行について「間隔や客観情勢との関係において、時期は全く意識していない」と強調した。衆院が解散した政治的な空白期に執行した理由を問われると「解散しても法務大臣であり、大臣としての職責を粛々と果たした」と語った。 死刑に反対する国会議員でつくる「死刑廃止議員連盟」の保坂展人・前衆院議員は「国会議員が声を上げにくいこの時期を選んで、だれも責任を取らないような形で執行したとしか考えられない」と批判。死刑に反対する市民団体「フォーラム90」の関係者も「正直言って、総選挙前にあるとは思わなかった」と驚きを隠さなかった。 フォーラム90によると、衆院解散中の執行は93年に一時止まっていた死刑執行が再開されて以来、例がない。 法務省
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