新潟の城下町、村上の「黒塀通り」。黒壁が和モダンを漂わせる「割烹 新多久」は、庭を背に老舗のオーラを放ちながらゲストを迎えます。村上は、魚介、野菜、酒、米、調味料に至るまですべてがそろった食材の宝庫。5代目として厨房に立つ山貝真介氏・山貝亮太氏の兄弟は、これら村上の誇る食材をほぼ地元産でまかない、料理を通して村上を発信。全国各地から通う美食家を魅了しています。今回は、兄弟2人で向き合う村上ならではの料理について、深い愛とこだわりについてお話をうかがいました。 大反対されても老舗料亭を兄弟で継ぐ気合い ー明治元年から続く「割烹 新多久」について、お店の歴史やこれまでの歩みについてお聞かせください。 (山貝真介氏、以下真介氏)「割烹 新多久」は、明治元年創業の料理屋で、僕らで5代目になります。もともとは料亭だったのですが、2005年に火事で焼失し、翌2006年にリニューアルして現在に至ります。