「東京のような発展」へのオルタナティブ 市内中心部を東西に貫く四条通で、車道を半減させ、あえて自動車の利便性を下げる工事が始まったが、これは東京や大阪との差異化を徹底して「京都ブランド」を前面に押し出す政策へと転換する動きの一端である(写真は清水寺近くの二寧坂) 2630ben-iStockphoto.com 京都市に四条通という道がある。平安京の条坊制の名残を今に伝える名前だが、市内中心部を東西に貫くこともあって、近代以降は京都随一の繁華街として賑わってきた。とりわけ八坂神社のある祇園(東大路通との交差点)から烏丸通と交差する四条烏丸までは、大阪方面と京都市内を結ぶ私鉄である京阪電鉄や阪急電鉄がすべての列車を停める大きな駅を構え、デパートや高級ブランド店、大規模書店、和装など京都ならではの老舗、さらにメガバンクの京都支店なども並ぶ。 今年の春先から、この四条通で大規模な工事が始まった。そ