東京五輪で29年ぶりの8強入りを果たした男子バレーボール代表。現在開催中のネーションズリーグでも好調を維持しており、2024年パリ五輪でのメダル獲得に向けて着実に強化を進めている。今稿では、現監督フィリップ・ブランにバトンを渡した3名の歴代監督に焦点を当て、ここまでの軌跡を回想する。#3は東京五輪で監督を務めた中垣内祐一氏のインタビュー。バレーボール界から距離を置いていた元スーパーエースを奮い立たせた“日本の可能性”とは? 全3回の3回目(#1/植田監督編、#2/南部監督編へ) こんな時間は何年ぶりか。 2015年、秋。営業先から帰宅した中垣内祐一は何気なくテレビをつけ、ワールドカップを観戦した。かつては日本代表コーチを務めるも、バレーボールから離れ社業に勤しむ日々。積極的にバレーボールと関わることもなくなってからは、テレビで試合を見る機会も減っていた。 ふと気が向き、数年ぶりに日本代表を