共にエイズウイルス(HIV)に感染している夫婦に対し、荻窪病院(東京都杉並区)が実施しようとしていた国内初の体外受精が、厚生労働省から「倫理的な検討が必要」と指摘を受け、中断していることが19日、分かった。厚労省の研究班が28日に、HIV感染者や医療関係者らを交えた公開会議を開き、妥当性や問題点を議論する。 国内では昨年1年間に新たに確認されたHIV感染者が、初めて1000人を超えるなど、感染が拡大している。今後、感染者同士が夫婦となり、子供を欲するケースも増えることが予想される。そのため、体外受精を行った場合に、子供への感染リスクをどうとらえるかといった点や、両親の病状が重いケースで育児体制をどうするかといった点でさまざまな議論が出そうだ。 荻窪病院によると、今回の体外受精については、院内の倫理委員会で平成19年1月に申請が承認されている。しかし、その直後に厚労省から「倫理的な検討が必要