夕日を浴びて新淀川の河口を、4両編成の電車が渡る。長年潮風に洗われてきた鉄橋は、沿岸に並ぶ町工場や民家とあいまって、どこか誇らしげで、懐かしくもある。電車はやがて「線路は続くよどこまでも」の曲に迎えられ、駅に滑り込んだ。関連記事「阪神なんば線」で試運転 大阪・ドー…阪神線を近鉄電車が走る試乗会 阪神な…記事本文の続き 阪神西大阪線の伝法(此花区)-福(西淀川区)間。ローカル色が強い沿線の印象は、3月20日を境にがらりと変わる。西九条-近鉄難波の延伸区間と合わせて「阪神なんば線」に生まれ変わり、古都奈良、大阪ミナミ、ミナト神戸の「三都」を直結するからだ。 新たにできる路線は長さ3.4キロにすぎないが、西は山陽姫路、東は近鉄名古屋まで、約280キロの線路がつながる。電車が走れば人は動き、既存の沿線にもにぎわいが生まれる。 鉄道ファンの世界には「盲腸線」なる言葉がある。本線から飛び出して終点で行