要旨:機能するフットウェア(足底装具,靴型装具)や短下肢装具を提供するためには適切なアセスメントが重要であり,神経障害や血流障害の有無以外にも関節可動域やポジション,動きの質などの機能的評価が必要とされる.それらアセスメントの情報が少なければ機能するフットウェアの作製は困難である.フットウェアを機能させるためには治療プログラムが重要となる.フットウェアは適切に装着して使用することで効果を得ることができ,適切な装着と使用を促す環境が必要とされる.本邦は糖尿病足病変に対するフットウェアの総論(前編)に続く後編であり,より機能的なフットウェアを提供すること,フットウェアが機能する治療プラグラムを中心にまとめている.
【目的】糖尿病・末梢動脈疾患患者における足底部創傷部位と足関節背屈可動域との関係を明らかにすることとした.【対象と方法】糖尿病・末梢動脈疾患患者15例27肢(男性18肢,女性9肢,平均年齢69.9±9.4歳)を対象とした.年齢,糖尿病・人工透析の有無,足関節可動域,膝関節可動域,足底部創傷部位,機能的自立度評価表(FIM)移動項目,足関節上腕血圧比,皮膚灌流圧をカルテより後方視的に抽出した.足底部創傷部位は横足根関節より遠位を前足部とし,前足部・後足部に分類した.足関節背屈可動域0°以下を制限あり群とし,なし群との2群間比較を行った.【結果】制限あり群に前足部創傷を有する者が有意に多かった(p<0.01).【結語】前足部に創傷を有する患者の足関節背屈可動域訓練の関連性が示唆され,創傷予防・治療の一貫として足関節背屈可動域拡大は十分な介入効果を認める可能性がある.
Online ISSN : 1349-0885 Print ISSN : 0008-9443 ISSN-L : 0008-9443
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く