強烈ロックサウンドも磁石から 壁越しに音を聞く忍者の盗聴器とは? 忍者の最大任務は軍事機密の収集でした。そのため、さまざまな忍法・道具が考案されましたが、“忍者の盗聴器”ともいうべき珍しい携帯道具が、忍術秘伝書に記されています。 これはおよそ一寸(約3cm)角の薄い金属板を糸で吊るしただけの簡単な道具です。金属板には真ちゅう(銅と亜鉛の合金)や純金が使われました。屋敷などに潜入して盗聴するときは、懐中からこの金属板を取り出し、じっと耳をすませば、壁越しに物音や話し声が手に取るように聞こえるというのです。 真ちゅうや純金の薄板はよく響くことから、周囲の音を集める不思議な作用があると、昔の忍者は考えていたのかもしれません。もちろん科学的な根拠はありませんが、チーンと長く尾を引く余韻に耳をすますとき、人間の聴覚は鋭くなるのは確かです。鳴ってもいない金属板に聴覚を集中させることで、忍者はふだんは聞