国民の大半がカトリック教徒のアイルランドで10月、妊娠中体調を崩しながら宗教上の理由から中絶手術を断られたインド出身の女性が死亡し、波紋が広がっている。アイルランドでは憲法で中絶が禁じられているが、母親に「命の危険」があるときは例外。だが、例外の基準がはっきりせず、医師らは罪に問われることを恐れ、中絶手術に尻込みするという。きょうのテーマは「人工中絶禁止」とした。(編集委員 内畠嗣雅(うちはた・つぐまさ)/SANKEI EXPRESS)宗教上の理由で手術拒否 英BBC放送などによると、この女性は歯科医師、サビタ・ハラッパナバールさん(31)。夫で医療機器技師のプラビーンさんと4年前、インドからアイルランド西部のゴールウェーに移り住んだ。妊娠4カ月の10月20日、背中の痛みを訴え、地元の大学病院に入院。流産寸前で胎児が無事に生まれる可能性はほとんどないと告げられ、夫婦は中絶を希望した。 だが