ネットメディアは転換期を迎えている 瀬尾傑氏(以下、瀬尾):すごくたくさんの方が集まってくださっています。今日は「メディアとプラットフォームの今後はどうなる?」という話です。 メディアといった場合に、僕や津田さん、藤代さんはニュースメディアで語りがちですが、プラットフォームも含めて、本当はメディアってもうちょっと広いんですね。今日はもっと広げて議論をしたいと思っているんですが、一番最初にニュースメディアの話をしたいと思っています。 今、ニュースメディア、特にネットメディアが転換点にある感じがします。10年ほど前にバイラルメディアなどが注目されて、新興メディアがけっこう出てきました。 その後ビジネスモデルが変わり、既存の新聞やテレビが苦戦していく中で「BuzzFeed」や「ハフィントンポスト(現ハフポスト)」「NewsPicks」など、いろいろなメディアが出てきたんです。 みなさんご存じのよ
本の学びを深めるオンライン講座「flier book camp」を運営する株式会社フライヤーが主催したイベントに、 編集者時代にはベストセラーを手掛け、現在は東京工業大学でメディア論を教える柳瀬博一氏が登壇。メディアを構成する3つの要素や、過去30年間で日本がアメリカに徹底的に遅れた理由などが語られました。 理系の東工大でメディア論を教えるわけ 久保彩氏(以下、久保):柳瀬さん、よろしくお願いします。 柳瀬博一氏(以下、柳瀬):よろしくお願いします。 久保:参加のみなさん、お昼休みにありがとうございます。今回も、約500名強の方にご参加いただいています。チャットにご質問等を入れていただければ、どんどん拾って柳瀬さんにぶつけたいと思います。柳瀬さんと直接話せる機会は、大変貴重かと思います。 まず柳瀬さんから、簡単にみなさんに自己紹介をお願いします。 柳瀬:柳瀬博一と申します。東京工業大学のリ
ブロックチェーン技術を使った分散型の新たなインターネット世界「web3」の本格到来が近づいている。web3といえば、暗号資産やNFTの文脈で語られることが多いが、ソーシャルメディア領域でも新たなサービスが次々に誕生している。近い将来、FacebookやTwitterに匹敵する規模となる可能性を秘めた、web3版ソーシャルメディアの注目株を見ていこう。 https://pixabay.com/ja/illustrations/blockchain-%e3%83%96%e3%83%ad%e3%83%83%e3%82%af-3019120/ Web2.0時代のソーシャルメディアは中央集権的な寡占市場 FacebookやTwitter、Instagram、YouTubeといったソーシャルメディアは、まさに現在のWeb2.0時代を代表する存在であり、同時にweb3がアンチテーゼとする象徴でもある。
いくつもの顔を持つデザインだが、それは一貫して「世の中に起こるあらゆる変化——社会、政治、経済、科学、技術、文化、環境、その他——が人々にとってマイナスではなくプラスに働くように翻訳する《変革の主体》としての役割」を担ってきた。 これは、The New York Timesのデザイン評論家 アリス・ローソーン氏による定義だ。彼女は著書のなかで、デザインが商業的な価値を創出するだけでなく、医療や環境など幅広い社会問題の解決に貢献した例を挙げている。それらをふまえ、デザインは「世の中に起こるあらゆる変化」に向き合い、ときに問題を解決し、未来を構築する役割を担い得ると述べたのだ。 彼女の定義に沿うならば、オランダのデザインスタジオ『Momkai』は、「Cultivating Calm(穏やかさを深める)」ことによって、変革の主体としての役割を果たしてきたと言える。 「穏やかさを深めるデザイン」と
世界中を混乱に陥れている新型コロナウイルスが子どもたちの教育に影を落とし始めたのは、2月上旬にさかのぼる。ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の統計によれば、中国が地方によって学校閉鎖を行ったのが始まりだ。 以後ウイルス感染の拡大、感染者の増加に伴い、4月1日にはピークを迎え、世界191カ国、就学者の91.4%が学校に行けず、自宅での学習に切り替えざるを得ない事態になった。この1カ月間はあまり変化が見られない。4月22日現在で191カ国、就学者の90.2%が自宅学習を強いられている。 近年、高等教育においてオンライン学習が一般的になっているが、新型コロナウイルス禍でさらにそれは初等・中等教育にも飛び火。すっかり浸透の様相を呈している。 以前から学校教育の補助としてオンライン教育を小・中・高校生に提供してきた企業は組織はもちろん、大手メディアも参入してきた。メディアならではの特色を生かし、他
最近はインターネット、あるいは「Web 2.0」黎明期の話をすると「インターネット老人会」などと揶揄されてしまうのですが、少し古い話をしましょう。 いまや大勢のユーザーを抱え、極めて個人的なつぶやきから社会的に重要なニュースまで、幅広く伝えるWebメディアとして成長したTwitter。しかしそのサービスが開始されたのは2006年であり、まだ10年ちょっとの歴史しかありません。私がアカウント(@akihito)を登録したのは2007年7月で、当時はもっと知名度が低く、牧歌的な雰囲気でした。 そのころユーザー数の公開は行われていなかったのですが、参照できる情報を少しだけリンクしておくと、かつて日本国内で最強のSNSだったmixiがユーザー数1500万人を突破したのが2008年のこと。一方のTwitterはというと、2010年に行われたカンファレンスにおいて、「日本でのユニークユーザー数は300
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