地域の居場所「だいかい文庫」、仕掛けた本当の狙いは? “関わりしろ”をデザインする医師・守本陽一さん デザインのまなざし|日本デザイン振興会 vol.09 今回訪れた豊岡市は、兵庫県の北部に位置する、人口8万人弱の都市。野生のコウノトリの生息地として知られ、名湯「城崎温泉」などでも有名ですが、全国各地の市町村と同様に、高齢化や過疎化、人口減少という課題も抱えています。 中心地であるJR・豊岡駅前からまっすぐ伸びる商店街を10分ほど歩くと、一面ガラスで開放的な建物の中に、ずらりと並んだ本が見えてきます。ここは、「だいかい文庫」という名の私設図書館。希望する人は誰でも月々定額で本棚のオーナーになることができ、地域の人は無料で、そのオーナーたちが用意した本を借りられます。 だいかい文庫は、本を媒介として気兼ねなく入ることのできる空気を作り、まちの人たちの居場所となりながら、医療福祉の専門家に“困