作家・鈴木涼美による新書『JJとその時代 女のコは雑誌に何を夢見たのか』(光文社新書)は、数々の人気モデルを輩出し、女子大生を夢中にさせ、部数80万を誇った雑誌「JJ」を軸に、女性ファッション誌が女性たちにどんな価値や思想を提供してきたのかを論じた一冊だ。女性ファッション誌が次々と廃刊されていく中で、何が失われたのかを見つめ直すその眼差しは、これからのメディアの行き先を考える上でも示唆に富んだものだろう。鈴木涼美に、同書に込めた想いを聞いた。(編集部) 鈴木涼美『JJとその時代 女のコは雑誌に何を夢見たのか』(光文社新書) ――『JJとその時代 女のコは雑誌に何を夢見たのか』は、女性誌が次々と廃刊されていく近年において、改めてそれらがどんな役割を担っていたのかを振り返った一冊です。執筆の動機を教えてください。 鈴木:女性誌については以前からどこかで書きたいと思っていて、特に「JJ」「Can
人と人との接触や、移動が制限された非日常ともいえる新しい日常に、不自由さを感じつつも慣れを覚え始めた2021年。そうした渦中にある今、ファッションという日常と密接に関わる現象に焦点を当てる展覧会「ファッション イン ジャパン 1945-2020—流行と社会」が、国立新美術館で開幕した。同展では、戦後である1945年から現在に至るまでの日本ファッション史が、衣服やアイデアを創造するデザイナーと、衣服を身につけ流行を生み出す消費者の双方向から辿られている。国立新美術館主任研究員で同展を担当した本橋弥生は、同展開催の理由を「戦後からわずか25年という短期間で、洋装を自らの文化へと変容させただけではなく、西洋における『ファッション』の価値観を揺さぶるデザイナーを輩出し、東京がファッションキャピタルになるまでを丁寧に見せたかった」と説明する。コロナ禍による延期を経て開催された同展の見所や、キュレーシ
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