『カルチュラル・コンピテンシー』共著者、季刊誌『tattva』編集長の花井優太が分散化時代にどう社会との関係を築くのか、を考えるうえで注目する現象とは。 モノ消費からコト消費、そしてイミ消費へといわれる昨今、サービスや商品を一方的に提供されるのではなく、ユーザーが対象への愛着や深い理解によってファンと結ばれ、共創が生まれる経済圏「ファンダム・エコノミー」や、経済成長でも科学でも解決できないことが山積みの現代において、個人が信じられる心の豊かさを消費をはじめとする体験に求める「Spiritual But Not Rel igious(SBNR、宗教的ではないが神秘的ないし精神的)」などのキーワードが注目されるようになってきている。 筆者が、土地の文化背景や営みに焦点を当てながら経済サイクルを生む方法知を探った共著書『カルチュラル・コンピテンシー』も、拠り所と拠り所をよくしていこうとする行動を
日本版Billboardとして、2008年からヒットチャートをスタートさせたBillboard JAPAN(ビルボードジャパン)。 CDセールスやダウンロード数、ストリーミング数のみならず、動画の再生数やツイート数、カラオケで歌われた数など、複数の指標に独自の係数を掛け合わせて合算。総合ソングチャートとして算出している。 グッズや握手券など、音楽以外の付加価値によって上下しやすい単一のセールスランキングと比べ、Billboardのチャートは複合的な観点からつくられ、より“音楽的”であると評価されてきた。 さらに時代の変化に合わせて、新たな指標の導入や係数の見直しを実施。時代を映す鏡として、音楽シーンを語る上で欠かせない存在となっている。 その一方、ここ数年ますます影響力を強めているのが「ファンダム」の存在である。 熱狂的なファン集団やその文化を指すファンダム。そのエネルギーは音楽産業に光を
<川崎区で有名になりたきゃ、人殺すかラッパーになるかだ>(”Kawasaki Drift”) いきなり引用させてもらったこの一節は、BAD HOPのT-Pablowによるものだ。「社会のセーフティネット」としてのヒップホップカルチャーを語る際に、これほど雄弁な日本語のリリックはないだろう。 この例はあまりに極端ではあるけれど、「普通」や「当たり前」、「常識」といった言葉でもって社会が要求する枠組みや価値観から取りこぼされてしまった人たちに、また別の生きる道を示すことができるという点は、ヒップホップという文化の素晴らしいところのひとつといって間違いない。 この社会に存在する規範や枠組みは、ときに私たちの見えないところで誰かを排除し、格差と対立、そして分断を煽る。その複雑な社会のあり方に対してヒップホップはどのような力を持っているのだろうか。 「ヒップホップの学校@金沢」を金沢21世紀美術館で
お疲れさまです。uni'que若宮です。 今日はちょっと教育のことについて書きたいと思います。 「基礎」からやらなきゃやっぱダメ?コロナ禍になって家にいる時間が長くなったので、実はちょっとピアノを弾いたりしています。 この歳になるまでピアノって全然弾いたことがなかったですし(小学校のピアニカくらい)、不器用なので両手で別々の動きをすることががもう無理ゲーな感じがしすぎて敬遠していたのですが、仕事や文章を書くのとはとちがう脳の部分を使う感じがして結構楽しいです。 まさに「四十の手習い」でやっているのですが、練習をどうしているか、というと、YouTubeの動画を探して漁ってやっています。便利な時代になったもので、鍵盤が打鍵順に点灯してそのとおりに練習すればいいものやピアニストの先生がコードを解説しているものとか色々あります。何よりも再生スピードを変えられるので、自分の習熟度に合わせてやれるのが
新型コロナウイルスの封じ込めに成功し、国際社会からも脚光を浴びた台湾。立役者のひとりであるIT大臣のオードリー・タン氏は一時期日本のメディアでも引っ張りだこの状況だった。 そんな台湾を、「日本のパラレルワールドのよう」と語るのは、ライターの神田桂一さんである。2011年から2019年まで8年間にわたって台湾に通い詰め、カルチャーシーンで働くさまざまな台湾人に取材して書き上げた『台湾対抗文化紀行』を上梓したばかりだ。 神田さんが台湾に惹かれる理由は、日本を含む海外のさまざまな文化を取り入れながらいままさにオリジナルの文化を構築している最中にある、そのダイナミックさ。加えて、社会も人も多分に日本と似たところがありながら、しかし決定的に異なり、ある意味日本の輪郭を外側からたしかめるにあたってもっとも参照すべき相手に思われるからだという。 われわれは、タン氏をブームのように消費するだけでよいのだろ
新型コロナウイルスによって生活や経済に大きな転換期が訪れている今、様々な感情や考えを抱えながらも上手く言葉にできず、未来を見る眼にもモヤがかかっている、という人も多いのではないだろうか。ミュージシャン・SIRUPと経営者&ホテルプロデューサー・龍崎翔子の言葉からは、そんなモヤを晴らすような、思考のカケラを掴んでもらうことができると思う。 この取材の発端は、SIRUPが、ファッションブランド「SYU.HOMME/FEMM」とのコラボデニムシャツの売上の一部を、インディペンデント音楽コミュニティー支援団体「SustAim」を通じて、龍崎率いるCHILLNNの新事業「HOTEL SHE/LTER」へ寄付したこと。「HOTEL SHE/LTER」とは、自宅で過ごすことが安全ではない人と、稼働率が低くなっているホテルをマッチングさせるプロジェクト。SIRUPによる寄付金は、医療機関との提携などの運営
きっと、忘れてしまう。 書きとめておかないと、考えたことは、あっという間に流れていってしまう。だから僕はここに文章を書いている。読むのは1ヶ月後、1年後、10年後の自分を想定している。 新たな習慣が生まれ、それが、少しずつ過去を古くしていく。ニュー・ノーマルが訪れるときに、過去の価値観の何を捨てていくのか。変えずに持っておきたいものは何か。それを取捨選択する時間が今だ。 この2ヶ月くらい、僕は繰り返し、そのことを考えている。 僕の生活は大きく変わった。電車には乗らなくなった。ライブには行かなくなった。取材や打ち合わせはオンラインで行うようになった。4月に入って緊急事態宣言が発令されてからは、犬の散歩や買い物以外はほとんど外出せず、自宅で過ごすことが増えた。 新しく始めたこともいくつかある。 ストレッチや筋トレを日常に取り入れるようになった。自宅の近くの多摩川の河原をランニングするようになっ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く