セーヌ川のすぐそばを自転車で走る人、公園で何もせず、ただただのんびりとくつろぐ人々。通りに面したカフェでは、雑談が弾む。そんな風景が織りなすのは、フランスの首都、パリだ。 パリは、2018年にサーキュラーエコノミープランを発表し、官民の連携による実行を進めてきた。2021年に発表された更新版には、2024年までに市内で廃棄物の削減を目指すことや、地域経済の発展など様々な施策が含まれている。フランス全体では、世界で初めての「食品廃棄禁止法」や「食品以外の売れ残り製品の埋め立てや焼却を禁止」などを定め、廃棄物政策の面では世界でも類を見ない厳しい規定として大きな話題になった。 サーキュラーエコノミーを進めながらも、そもそもの資本主義の限界や資源の枯渇に対処するため、地球の限られた資源の範囲内で全ての人々の社会的公正を実現する動きも近年注目されている。そうした動きの一つであるのが、「脱成長」だ。そ