今回は1970年に行われた大阪万博を、「テーマ展示プロデューサー」を務めた岡本太郎を軸に見つめ直してみたいと思う。多くの人が知る太陽の塔は、どのような思想とどのような価値観によって建造されたのか。 岡本太郎研究を手がける、芸術考古学者の石井匠氏に、お話をお聞きした。 石井匠:1978年生まれ。國學院大學文学部史学科卒。國學院大學大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(歴史学)。第2回岡本太郎記念現代芸術大賞入選。現在、岡本太郎記念館客員研究員、多摩美術大学・明治学院大学非常勤講師、国立歴史民俗博物館研究員。芸術・宗教・学問を横断する活動を展開している。岡本太郎と1970年大阪万博。-石井さんのご自身については、後半に語っていただくとして、まずは1970年の大阪万博と岡本太郎さんについてお話をお聞かせください。 石井:よろしくお願いいたします。 -当時の万博において、岡本太郎さんが「テーマ展