奈良県の奥大和で、これまでの芸術祭のイメージを覆すイベントが開催された。その名も「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館2022」(以下、MIND TRAIL)。奥大和の雄大な自然に身を委ね、最長5時間をかけてトレイルを歩きながら、「自然×アート」の世界を体感する芸術祭だ。コロナ禍の真っ只中で始まったこの芸術祭も今年で3回目を数える。今年は「Conversation(対話)」をテーマに掲げ、人々の間により多くの対話を促すための新しい試みが行われた。MIND TRAILは、アーティストや地域の人々、来場者にどのようなつながりを生み出し、芸術祭と地域のあり方をどう変えつつあるのか。本イベントをプロデュースしたパノラマティクスの齋藤 精一氏に話を聞いた。 齋藤 精一(さいとう せいいち)氏 パノラマティクス(旧 ライゾマティクス・アーキテクチャー)主宰 1975年神奈川県生まれ。建築デザ