── 進行中のプロジェクトをいくつかご紹介いただきたいです。 (3月22日 取材時) 佐々木:2025年に開催される日本国際博覧会(大阪・関西万博)ポップアップステージの1つを計画しています。万博の開催期間は約半年と、建築としては短すぎる時間です。そのため、開催期間中だけでは完結させず、いかに社会環境のサイクルの中に組み込むかが必須といえました。これは「正しさ」の1つですね。たとえば、ここでコストや工期の正しさのみを求めるのであれば、プレハブ建築が最適解となってしまいます。それでは面白くありませんし、それが必ずしも良い建築とは思いません。 僕たちの提案では、木材の流通の過程に建築を位置づけています。樹を切り製材とする前に丸太を乾燥させるのですが、その寝かせるだけの乾燥期間を空間化することで、建築の背景にある大きなサイクルを可視化し、来訪者の意識に訴えかけようという試みです。 佐々木:丸太は