作家マーク・トウェインはかつてこう書いた。「旅には、偏見や頑なさ、心の狭さなどを粉微塵に打ち砕く力がある。そして、多くの人はまさにそれらを克服するために、旅を必要としている」。まさに、生身で旅をすることで世界に関する思い込みを打ち砕き、その体験を言葉に変えてわれわれに伝えてくれる人物がいる。地球をフィールドに活躍する写真家であり、作家としても活躍する石川直樹氏だ。 石川氏は、22歳で北極点から南極点までを人力で踏破、23歳で七大陸の最高峰の登頂に成功した。ちなみに登山家・野口健氏が七大陸最高峰の登頂に成功したのは25歳のことだ。 その後も世界各地を旅し続け、2004年には冒険家・神田道夫氏とゴンドラでの太平洋横断に挑戦。1日後に太平洋に着水、計画は失敗に終わったが、偶然通りかかった貨物船に奇跡的に救助され、一命を取り止める。この時に乗り捨てたゴンドラは4年後に、鹿児島県の南、トカラ列島の悪