“わたし”と“あなた”それぞれの複雑さを大切にするには?──なみちえさん×下地ローレンス吉孝さんと共に考える こここインタビュー vol.15 自分自身のことについて誰かに話すとき、立場や属性、趣味嗜好を伝わりやすいように類型化して、タグ付けするかのように語った経験のある人はきっと多いだろう。「東京出身・AB型・ミックス・アニメ好き」です、とか、「Z世代・they/them・公務員・喫煙者」です、というように。 あるいは、自分ではそういう語り方をしていなくても、いつの間にか他者の手によって、自分がある種のタイプにカテゴライズされていると気づくこともある。あなたは「長男」なんですねとか、「日本人」なんですね、と。その手つきはときに大づかみだったり、誤った見解に基づいていることもある。貼られたラベルはなかなか強力で、それ越しに“わたし”や“あなた”を見ようとしている人もいるようだ。 実際には、