2023年のグッドデザイン大賞を受賞した、老人デイサービスセンター「52間の縁側」。施設名にもある通り、だれもが気軽に立ち寄ることのできる「縁側」の概念を建築に落とし込んだ老人デイサービスは、どのようにして生まれたのでしょうか? これまでも共生型デイサービスの場づくりをおこなってきた有限会社オールフォアワンの代表で「52間の縁側」を運営する石井英寿さんと、同施設の設計を担当した株式会社山﨑健太郎デザインワークショップの山﨑健太郎さん。 今回はお2人に、日本社会が抱える介護現場の課題から医療福祉施設を設計することの難しさ、そして建築の役割など―「52間の縁側」完成までのプロセスと絡めてお話いただきました。 場所から名前を取り払うことで生まれる自主性 ――「52間の縁側」の施主である石井英寿さんは、これまでも民家を借りた小規模なデイサービス「いしいさん家」を営むなど、人と人が共生できる場づくり
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