「この腕でわが子を抱くという、ささやかな夢をかなえることができなかった。みんな普通に子供がいる生活をしているのに」 大阪府に住む矢川道子さん(48)=仮名=は、ちょうど2年前、約10年にわたる不妊治療にピリオドを打った。 長い治療の道のりを振り返るとき、4年前、6つ目に訪ねた診療所で医師から告げられた言葉を、今も忘れることができない。 「卵子は老化します。その影響で、妊娠が難しくなっています」悲痛な叫び「何でもするから子供を助けて」 「卵子の老化」という聞き慣れない言葉に、自らの希望が阻まれるとは思ってもいなかった。 8歳年上の会社員の夫と結婚したのは平成14年、37歳のときだった。それまで得意の英語を生かした仕事にやりがいを感じ、婚期より仕事を優先していた。結婚を機に退職。子供は自然に授かるものと思っていたが、兆候は現れなかった。 半年後、不妊治療を始めたが、言い出しづらさがあって親にも
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