「Suicaのシステムは単なる交通インフラにとどまらない。社会インフラに進化していく」――JR東日本(東日本旅客鉄道)でSuica事業の責任者を務める椎橋章夫氏(理事 IT・Suica事業本部 副本部長 企画部長,写真)は,6月4日東京都内で開催された「ITアーキテクトのためのシステム設計フォーラム」(日経SYSTEMS主催,創刊2周年記念セミナー)の特別講演でSuicaの今後の展開について,こう語った。「JR東日本のIT・Suica事業戦略」と題した講演では,(1)Suicaシステムは高性能が必要なこと,(2)同じく高信頼性が求められること,(3)今後のSuica展開戦略について説明した。 性能不足に陥る可能性があった まず(1)については,改札機の読み取り性能とSuicaの残額データを処理するセンター・サーバーのトランザクション処理性能を例に挙げた。Suicaの改札機はSuicaを歩き