本記事は、応用物理学会発行の機関誌『応用物理』、第83巻、第8号に掲載されたものの抜粋です。全文を閲覧するには応用物理学会の会員登録が必要です。会員登録に関して詳しくはこちらから(応用物理学会のホームページへのリンク)。全文を閲覧するにはこちらから(応用物理学会のホームページ内、当該記事へのリンク)。 科学衛星搭載用の半導体デバイスは、民生用デバイスと同様に、微細化と新構造・新材料の導入が進む。強い電離作用を有する宇宙放射線にさらされる宇宙環境で、このナノスケールの世界に起こる物理現象とデバイス・回路の応答を実験およびシミュレーションで解き明かし、宇宙科学の発展に貢献する宇宙用半導体デバイスの開発を目指している。 1. まえがき 東京大学の糸川英夫らが開発したペンシルロケット技術を礎として、我が国は1970年に日本初の人工衛星「おおすみ」を軌道に送りこんだ。世界で4番めの快挙であった。宇宙
エラーによる誤動作を防ぐ方法の1つが、中性子がヒットしてもエラーが起こりにくいラッチやフリップフロップを使うという方法である。 前述したゲート出力に発生するノイズ電圧は、吸収される電子の電荷量をゲート出力の寄生容量で割った値(V=Q/C)となる。このため、ゲート出力に配線やトランジスタのゲート領域を接続して寄生容量を増やしてやれば、容量に逆比例してノイズは減少する。このようにして寄生容量を増やしたラッチを作ると、中性子ヒットによるエラー率を下げることができるが、負荷容量が大きくなるので、動作速度が遅くなる、スイッチにともなう消費電力が増えるというコストがかかる。なお、ドレインの面積を増やしても寄生容量を増やすことができるが、中性子ヒットで発生する電子を吸収する面積が増えて吸収する電荷も増えてしまうので、エラー率はあまり改善されない。 これに対して、2つのラッチで情報を2重化して記憶すること
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く