トウガラシは英語で「ホットペッパー」。だが、本来の「ペッパー」であるコショウとトウガラシは、形も味も全く異なる。そんなトウガラシが「ペッパー」と呼ばれるようになった背景には、あのコロンブスの苦悩があった!? 植物を通して歴史を見ることの重要性と面白さを説いた『世界史を大きく動かした植物』の著者である植物学者の稲垣栄洋氏に、その意外な理由を教えてもらった。 コロンブスの苦悩 コショウは、英語でペッパーと言う。 これに対して、トウガラシは英語で「ホットペッパー(辛いコショウ)」や「レッドペッパー(赤いコショウ)」と言う。また、トウガラシを改良したピーマンは「スイートペッパー(甘いコショウ)」と言う。 そもそもコショウとトウガラシは、似ても似つかないまったく別の植物である。コショウは、コショウ科のつる性の植物である。これに対してトウガラシは、ナスやトマトと同じナス科の植物なのである。 アメリカ大