国際政治の2大潮流「リベラリズムVSリアリズム」 近年、世界は急速に不安定化し、危機的な状況になりつつあります。 どうしてアメリカは、中国と対立するようになったのか。 なぜロシアは戦争を始めたのか。 こうした国際政治の問題を考えるにあたっては、やはり社会科学の古典が大きなヒントを与えてくれます。 その古典とは、イギリスの外交官・歴史家のE・H・カー(1892-1982)が1939年に著した『危機の二十年』です。 E・H・カーは、『危機の二十年』の中で、国際政治学の思想潮流をユートピアニズムとリアリズムに分けました。そして、第1次世界大戦後の国際秩序がユートピアニズムに基づいて構築されたがために失敗に終わり、国際政治の危機を招いたと論じました。 このユートピアニズムとリアリズムという国際政治学の2大潮流は、リベラリズムとリアリズムという呼称で、現在も続いています。 「リベラリズム」とは、民主