中国が「世界の工場」の座に就いて久しいが、この表現はもはや相応しくない。工場といえば外部で用意された設計図に従い製造する現場のこと、翻って現在の中国企業は製品開発力もあれば企画力もあり、一気通貫で製品を世に送り出す能力を備えているからだ。コンシューマエレクトロニクス製品は言わずもがな、たとえば最新スペックのBluetoothイヤホンは中国企業が先陣を切ることが多く、SoCなど部品まで中国企業の設計だったりする。 今回取り上げるテーマは「開発拠点」。先日Makuakeで応援購入プロジェクトが開始された「VITURE(ヴィチュアー) One」は、高画質×高音質プライベートシアターを標榜するグラス型モバイルディスプレイ。開発元のVITUREは2021年米カリフォルニアでの設立なれど、開発・製造は中国というファブレス企業だ。このユニークな製品を紹介しつつ、ファブレス開発の現場を覗いてみたい。 ■「