弁護士 福井 健策 アメリカで、ついに昨年末、ミッキーマウスの著作権が切れました。正確には、1928年に最初に映画に登場した際の、いわば初期の姿のミッキーとミニーマウスの姿の著作権が切れたのですが、史上最強のキャラクターともいえるミッキーの初期デザインは、今後は社会の共有財産として誰でも自由に使えるようになります。それは世界や日本に、どんな影響を与えるのでしょうか。 アメリカでの著作権の保護期間は、かつては作品の発行から28年間などの短めの期間でした。しかしそれから20世紀の間、ディズニーなどの権利者のロビイングによって延長を繰り返され、最終的には古い作品は発行から95年間という長期の保護となりました。この際には「ミッキーマウス保護法」と揶揄されて大変な論争になり、違憲訴訟にまで発展して最高裁の評決が割れたほどでした。が、いずれにしてもこの結果1928年の「蒸気船ウィリー」の保護期間は、