世論がなびかないのがお気に召さないか? 「個人的見解」への攻撃が尋常でない。 籾井勝人NHK会長の「慰安婦問題は決着済み」などの発言に端を発した一連の報道について、世間は「当たり前」と騒ぐ様子はない。これに焦ったか、今度はNHK経営委員の発言を攻撃し始めた。朝日新聞は百田尚樹氏が東京都知事選の候補応援で「南京大虐殺はなかった」との発言を取り上げ、毎日新聞は長谷川三千子氏が「新聞社拳銃自殺事件を礼賛」と報じた。 記事を読むと法や規則はないとし、経営委員会事務局も「個人の思想・信条に基づく行動は妨げられない」と書きながら、「資質を問う声が出ている」と問題視する。官房長官も「表現は妨げられていない」と明言しており、「資質」を問う根拠が希薄だ。いつもは声高に叫ぶ「言論の自由」とつじつまが合わない。(副編集長 黒沢通)