2007年9月21日付けの日経産業新聞は、新日本石油が三洋電機と共同開発したLPG(液化石油ガス)を燃料に使う燃料電池を、ジャパンエナジーにOEM(相手先ブランドによる生産)供給し始めたと報じた。石油元売り企業が、ここにきて、燃料電池ビジネスへの関心を高めている。一方、2007年11月27日付けの日本経済新聞朝刊は「家庭用燃料電池量産へ」とする解説記事を掲載し、システムメーカーが生産体制を整備し始めた様子を伝えている。水素を燃料とし、温室効果ガス(GHG)の削減に効果があるとされる燃料電池に対する期待は高い。その実用化に向けた動きをレポートする。 温室効果ガス(GHG)排出削減の有力技術の一つとされるのが燃料電池である。燃料電池は、燃料から電気エネルギーを直接取り出すため、より高い発電効率を期待できる。水素を燃料として使えば、発電装置からは二酸化炭素(CO2)などが排出されない。また、電気