〈企画・制作 朝日新聞社デジタルビジネスセンター〉 ドラマを伝える将棋 〜名人・羽生善治氏に聞く(1) 2010年6月18日 無類の強さで将棋界の記録を塗り替え続ける羽生善治三冠。名人位を防衛したばかりの羽生さんに、あらためて将棋の魅力などを伺いました。 ●理想の将棋とは ――「オールラウンドプレーヤー」と評される羽生名人。 自分でも、どんな形にも幅広く対応できる、そんな将棋を目指していますね。ですから、ひとつの戦法を究めて、それが『羽生○○』と呼ばれるようなことはあまりないのではないかと(笑)。私にとって理想の将棋は、最初から最後まで停滞なく、秩序立った手が続くようなもの。将棋には、いつ勝負がつくかわからない激しい面がありますが、恐れずにどんどん前へ進むアグレッシブな将棋が指せたらいいと思っています。 ――理想の将棋の実現は、対戦相手との共同作業といえる。 テニスの試合などによく似ている