稲田防衛相の「虚偽答弁」と日報隠蔽問題の根源 だからこそ教育勅語は教材に用いられない 小林正弥 千葉大学大学院社会科学研究院教授(政治学) 稲田防衛相が批判される二つの問題 稲田朋美防衛相が強い批判を浴びている。森友学園問題で国会における発言の撤回と謝罪に追い込まれ、「虚偽答弁」として野党から辞任を要求されている。同時に、南スーダンへの派遣部隊について日報の隠蔽が明らかになり、防衛相としての内部統制力の欠如が疑われているのだ。この二つの問題で辞任を求める声が高まっているのは、偶然だろうか? 政権がなおも稲田氏を擁護している一因は、辞任や罷免となれば首相の任命責任も問われざるを得ないからだ。稲田氏は首相自身が次々と要職に引き上げた人物だ。将来の後継者に考えているとまで言われたことがある。稲田氏をかくも優遇してきた理由は、首相と思想的に親近性があるからだろう。 それは、日本会議のような右派思想