安倍政権のタガの緩みが顕在化してきたようだ。相次ぐ初入閣閣僚の辞任、桜を見る会の私物化とも取られかねない対応、かんぽ生命の不適切勧誘の発覚と処分情報の官僚による漏洩(ろうえい)、そして統合型リゾート(IR)開発をめぐる国会議員の贈収賄事件など、立て続けに黒星が明らかになってしまった。大きな野党の固まりが出来れば、政権は窮地に追い込まれかねない。 国会では「1強多弱」という状況が続き、与党内ですら総裁派閥が幅を利かせて「1強多弱」を許してきた。調子の良い時には好都合だが、ひとたび乱れてくると意外に脆弱(ぜいじゃく)な面を持っている。幾つかの派閥や集団が同様に強くなることが必要で、党内で意見をたたかわせることが不可欠である。 「権腐十年」という言葉は、まず安倍総理自身が自覚していただくことが先決だが、与党全体が自覚して現状打開のために声をあげることも重要である。勇気をもってモノを言うことが、今