東京11区では、裏金事件で自民の公認を得られず、無所属で出馬した元文部科学相の下村博文氏(70)が、立憲元職の阿久津幸彦氏(68)に敗れ、落選が確実となった。1996年以来、9期連続当選を果たしてきたが、「政治とカネ」の問題への逆風に耐えられなかった。 「本当かよ……」「ああー早いねえ」。投票終了直後の午後8時過ぎ、テレビで阿久津氏の「当選確実」が流れると、板橋区の事務所に集まった約20人の支援者からはうめくような声が漏れた。 下村氏は裏金事件で旧安倍派の元事務総長として党員資格停止1年の処分を受け、非公認となり比例代表への重複立候補も認められなかった。 事務所に到着した下村氏は「本当に申し訳ございません」と目を潤ませながら頭を下げた。敗因については、「まさに『政治とカネ』の問題。私の不徳の致すところで、信頼を取り戻すべく朝から晩まで訴えてきたが力及ばずだった」と硬い表情で振り返った。