「筋が悪い」株式の買い入れ 日本銀行は、金融緩和政策の一環として、現在年間3兆円を超えるペースで、ETF(上場型投資信託)の形で上場株式を買い入れている。同行の営業旬報によるとETFの残高は3月10日現在で7兆5千億円に迫っており、かつて民間銀行から買い入れた株式と合わせると9兆円近い株式の保有残高がある。 日銀は、今や三菱東京UFJ銀行や日本生命といった民間会社を抜き去って、GPIFに続く日本第2位の上場企業の大株主だ。 また、投資家としても年間ざっと3兆円の買い入れ額は小さくない。取引所の稼働日で割り算するとしても、一日平均100億円以上の買い入れ額になる。株式取引に詳しい向きには、「100億円以上の募集額の日本株投信が『毎日』」設定されているのだ」と言うと、感じが伝わるだろう。「将来、これが無くなったら、ずいぶん様子が変わるだろうな」ということも含めて、無視できない影響力だ。 金融政