稲田朋美防衛相が3日、米国やアジアから防衛担当閣僚、政府高官、専門家らが集まった「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」で演説した。テーマは「ルールに基づく地域秩序の擁護」。稲田氏にとっては、この日に備えて入念に原稿を準備してきた「勝負演説」だった。 北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返す中での国際会議。だが、稲田氏が演説で力点を置いたのは中国だった。急速な軍拡を進めながら東シナ海や南シナ海への海洋進出を強めており、「あくまで今後の安全保障上の脅威は中国」(防衛省幹部)という認識からだ。 そんな中国とどう向き合うか。演説では、米国を強く意識する内容が目立った。今回の草稿は防衛省内で米国を担当する「日米防衛協力課」と、それ以外の外国担当の「国際協力課」が執筆。だが、「イニシアチブをとったのは日米課」(幹部)という。 演説の前半、稲田氏は「米国のインド太平洋地域における立場をさらに強化