故・大杉漣さんの遺作となる映画「教誨師(きょうかいし)」が6日、公開された。大杉さんが演じる牧師と、6人の死刑囚との対話をひたすら描く異色の会話劇だ。取材をもとに脚本も手がけた佐向大(さこうだい)監督(46)は「死刑の是非が議論になるなか、制度を考えるきっかけになれば」と話す。 気のいいヤクザの親分、関西弁でまくし立てる中年の女性、冤罪(えんざい)をうかがわせるホームレスの男性……。映画で牧師は、拘置所の教誨室で6人の死刑囚と向き合い、その言い分にときには戸惑いながらも、「魂は生き続ける」となだめる。 一つの山場は、挑戦的な態度を崩さない若者との対話だ。「そもそもさ、国が国民の命奪うなんてありえなくない?」「なんの情報も公開しないくせに(死刑制度の)支持も何もないでしょ」。次々と問いを浴びせる若者に、牧師も翻弄(ほんろう)される。 「社会復帰を手助けするのが教誨師のイメージだった。じゃあ死