【ロンドン=藤沢有哉】中国による香港国家安全維持法(国安法)の施行に絡み、香港から英国へ渡った民主活動家羅冠聡(らかんそう)氏(27)が今月下旬に本紙の取材に応じた。施行から30日で3カ月を迎える中、羅氏は、香港の高度な自治を定めた「一国二制度」の弱体化が進んでいると強調。「香港は民主主義と権威主義の闘いの最前線。権威主義の拡大を防ぐために協調してほしい」と述べ、中国政府の人権侵害に圧力をかけるよう国際社会に求めた。 国安法は国家分裂や政権転覆、テロ行為などに関する犯罪の定義を規定。ロンドンで21日、取材に応じた羅氏は「治安当局が国安法を恣意(しい)的に使い、民主活動家を次々逮捕している」と指摘。「報道の自由や表現の自由など、香港から自由が失われつつある」と訴えた。