インタビューに答える天野篤・順天堂大医学部教授=東京都文京区の順天堂医院で2020年10月22日、手塚耕一郎撮影 国内感染者が10万人を超え、感染拡大が続く新型コロナウイルス感染症は、心臓病のある人では重症化リスクが高くなるという。ウイルス感染によって、臓器に酸素を送り込むのに心臓がいつも以上に働く必要があるからだ。これだけ聞くと何だか怖くなるが、順天堂大医学部教授で、上皇陛下の心臓手術を執刀した天野篤さん(65)は「過度に恐れる必要はない」と説く。9000件近くもの症例数を誇る心臓手術のエキスパートが語る、コロナ下でも心臓病を悪化させないための秘訣(ひけつ)とは?【くらし医療部・酒井雅浩】 ――新型コロナウイルス感染症に対して、患者はどのような不安を持っていますか? 一番多いのは、重症化です。心臓手術を受けた患者や経過観察中の患者にとって、「自分がもし感染したら助かるのか」と不安が大きく