JR四国は「新幹線を持たない強み」を活かせ JR四国の再生プラン策定への道は険しい。それでも生き残る道はある 福井義高 青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授 1. 改革時の予想どおりの衰退 JR四国が4月18日から高知県内で走らせる2両編成の観光列車「志国土佐」をお披露目した。 このねらいは、定期外輸送を増やすことと、乗客が少ない路線に利用者を呼び込むことであり、裏返せば、ともに同社の鉄道事業の弱点を示している象徴的な列車といえるだろう。 1987年の国鉄分割民営化で誕生した六つのJR旅客鉄道会社のうち、本業の鉄道事業自体が存亡の機に直面している唯一の事業体。それがJR四国である。 国鉄改革の失敗例として、JR四国以上に取り上げられることが多いJR北海道は、危機に瀕しているのは企業としてのJR北海道であり、同社が運営している輸送手段としての鉄道は、国鉄改革時の予想を良い意味で大きく