“今日のウクライナは明日の台湾”か? 「台湾有事」の可能性と日本外交にできること 中国が「一つの中国」という求心力を求める時 田中均 (株)日本総研 国際戦略研究所特別顧問(前理事長)、元外務審議官 ロシアのウクライナ軍事侵攻から1年が経過し、「今日のウクライナは明日の台湾である」と警鐘を鳴らす人が多い。 だからウクライナでロシアに勝たせる訳にはいかない、ということか。あるいは現在は侵略を行ったロシアに焦点が当たっているが、専制体制の中国に対する警戒も必要だ、ということなのか。日本は防衛力を飛躍的に拡大し、備えを強化すべきであるということか。冷戦最盛期に、「西側の安全保障は不可分で一体」としてINF(中距離核戦力)のウラル山脈の東側への移転に反対し、G7(先進主要7カ国)が一丸となってINF全廃条約に結び付けたように、ロシアや中国といった専制体制国家の攻撃的行動をG7が連携して防がなければ