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ブックマーク / itlaw.hatenablog.com (7)

  • ウェブサイトへの無断写真掲載 東京地判平27.4.15(平26ワ24391) - IT・システム判例メモ

    ウェブサイトに無断で写真を掲載したことが著作権侵害とされた事例。 事案の概要 法律事務所Yは,自己の運営するウェブサイトに,写真を掲載していた。ここでの写真6枚は,写真家X1,X2,X3,X4が撮影したものであるが,X1ないしX4は,コンテンツサービス会社X5に対して,著作権を譲渡あるいは独占的利用権の許諾をしていた。 そこで,X1からX5は,当該写真について,著作権侵害,著作者人格権侵害,あるいは独占的利用権者の利益の侵害があったとして,損害賠償を求めた。 ここで取り上げる争点 (1)独占的利用者の権利侵害の有無 (2)過失の有無 裁判所の判断 著作権(複製権,公衆送信権)の侵害については,あっさり認められている。 独占的利用権者のX5に対する不法行為が成立するかという点も争点となった(争点(1))。 X5は,事実上,第三者との関係において件写真3ないし6の複製物を販売することによる利

    ウェブサイトへの無断写真掲載 東京地判平27.4.15(平26ワ24391) - IT・システム判例メモ
  • 通信の秘密の意義 東京地判平14.4.30(平11刑わ3255号) - IT・システム判例メモ

    コンピュータシステムから電話料金の請求書等の情報を窃取した行為について,電気通信事業者法に定める「通信の秘密」の侵害に当たるかどうかが争われた刑事事件。 事案の概要 電気通信事業者である企業に務めるX,Yは,革マル派に所属していたが,対立する中核派の動向を調査する目的で,自社のコンピュータシステムから加入電話に関する請求書送付先,支払状況等のデータを出力し,また,その他の文書を持ち出した行為について,窃盗罪で起訴されるとともに,電話に関するデータを出力して持ち出した行為について,電気通信事業者法違反で起訴された。 ここで取り上げる争点 Xらが持ち出した加入電話の契約者氏名,設置場所等のほか,料金支払い情報等(詳細は以下)は,通信の秘密の保護対象となるか。 Hら七名名義の加入電話七台に関する契約者氏名、設置場所等を記録したデータ七件及びH名義の加入電話一台に関する料金支払情報を記録したデータ

    通信の秘密の意義 東京地判平14.4.30(平11刑わ3255号) - IT・システム判例メモ
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    voyage46 2014/03/18
  • 障害発生後に差し入れられた無償保証に関する合意書面の解釈 東京地判平25.5.30(平21ワ35213/平22ワ45682) - IT・システム判例メモ

    ストレージ機器の無償保証合意の内容が争点となった事例。 事案の概要 X(業務用AVや監視映像関連のシステムインテグレータ)は,Z銀行(エンドユーザ)が防犯カメラの増設を求めていることを受けて,Yから件ストレージ493台を購入し,平成18年8月ころから,全国の銀行の支店に監視カメラシステム(件システム)として設置した。件ファームウェアにより,件ストレージに監視カメラの画像が記憶されることになっていた。 同年10月頃から各種の障害が発生したことから,関係各社が協議し,Yは,件ファームウェアの修正版を作成し,平成19年2月以降,順次適用した。 Z銀行は,Xに対して,件ストレージについて,今後いかなる故障に対しても補償すること,件ファームウェアの修正後は停止障害が発生しないこと,停止中の損害を賠償すること等を求めた。 そこで,Xは,Yに対しても,同様の回答をすることを求めた。いったん

    障害発生後に差し入れられた無償保証に関する合意書面の解釈 東京地判平25.5.30(平21ワ35213/平22ワ45682) - IT・システム判例メモ
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    voyage46 2014/01/01
  • スルガvsIBM事件控訴審判決 東京高判平25.9.26(平24ネ3612) - IT・システム判例メモ

    スルガ銀行が日IBMに対し,開発を委託した情報システムが完成しなかったとして損害賠償を求めた事件の控訴審判決。 事案の概要 前提となる事実は,ほぼ原審どおりなので,そちらを引用するとして,おおざっぱにまとめると次のとおりである。 スルガとIBMは,スルガの銀行業務全般を処理する「新経営システム(件システム)」の構築に関する基合意及び個別契約を締結して,件システムの開発を目指したが,途中で中止となった。 訴は,スルガが,IBMに対し,開発中止になったことについて,IBMに (1) Corebankを使用して平成20年1月までに総額約90億円で件システムを開発させる義務違反があった, (2) プロジェクト・マネジメント義務違反があった, (3) 説明義務違反があった, (4) 個別契約はいずれも錯誤により無効であった, と主張し,請負契約の債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償請求

    スルガvsIBM事件控訴審判決 東京高判平25.9.26(平24ネ3612) - IT・システム判例メモ
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    voyage46 2013/10/07
  • 契約締結上の過失(肯定)東京高判平21.5.27(平20ネ5384) - IT・システム判例メモ

    原審の判断が覆り,契約締結上の過失が認められた事例。 事案の概要 件は,東京地判平20.9.30の控訴審である。あらためて事案を整理する。 自動車販売業Xは,システム開発業Yにホームページのリニューアル等を委託しようと商談を進めてきた。担当者Cは,Xと交渉を進め,平成19年7月1日にオープンしたいという希望納期を伝えていた。 Xの担当者Aは,7月1日にオープンするには,4月1日には作業を開始したいと伝え,これを受けたCは上層部に3月15日ころ報告した。CはAに対して感触は悪くないと伝えて,契約書の案文の作成を求めた。これに対しAはCに「このたびは,弊社にご依頼をいただける方向で進めていただきありがとうございます。」などと書いたメールが送られ,作業開始日や納期を打ち合わせた。Aは,契約締結が遅れると納期も遅れることを伝えると,Cは,契約締結は間違いないから納期を守ってほしいと伝えた。Xは,

    契約締結上の過失(肯定)東京高判平21.5.27(平20ネ5384) - IT・システム判例メモ
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    voyage46 2013/09/15
  • 住宅ローン金利一覧の著作物性 知財高判平23.4.19(平23ネ10005号) - IT・システム判例メモ

    住宅ローン金利を一覧化した表の著作物性(図形の著作物,編集著作物,データベースの著作物)が問題となった事例。 事案の概要 Xが開設したウェブサイトには,全国の金融機関の住宅ローン金利を整理した図表が掲載されていた。他方,Yのウェブサイトには,住宅ローン金利の情報が掲載されていた。Xは,Yの当該情報は,Xの著作物(図形,編集著作物又はデータベース)である図表を複製したものであるとして,Yに対してウェブサイトの閉鎖と損害賠償約700万円を請求した。 この図表は,縦軸に金融機関・商品が並び,横軸に変動金利,固定金利(1年固定,2年固定・・)が並び,各セルに「1.850」などの金利が表示されているものである。 一審(東京地判平22.12.21(平22ワ12322号)は,著作物性を否定し,Xの請求を棄却したことから,Xが控訴した。 ここで取り上げる争点 (1)図形の著作物該当性 (2)編集著作物該当

    住宅ローン金利一覧の著作物性 知財高判平23.4.19(平23ネ10005号) - IT・システム判例メモ
  • ジェイコム株誤発注事件控訴審 東京高判平25.7.24(平22ネ481号,1267号,1268号) - IT・システム判例メモ

    ジェイコム株式の誤発注が取り消せなかったことによってX証券が蒙った損害をY(東証)に対して賠償を求めた事件の控訴審。 事案の概要 X証券の従業員が,ジェイコム株の上場日に1株61万円で売るところ,1円61万株という誤った操作をしてしまったところ,直後に取り消すことができず,大量の損失が生じたとして,Y(東証)に対して約415億円の損害賠償を求めた。 原審(東京地判平21.12.4)は,Yのシステムにバグがあったことは認めたものの,重過失にあたるとはしなかった一方で(故意または重過失でない場合には免責される旨の規定があった),売買停止措置を取ることを怠ったことが,全体としての市場システムの提供についてほとんど故意に近い注意義務があったとし,それによりXに約150億円の損害が生じたとした。 もっとも,Xにおいても,システムの警告メッセージを無視して注文したという過失を認め,その3割を減じ,約1

    ジェイコム株誤発注事件控訴審 東京高判平25.7.24(平22ネ481号,1267号,1268号) - IT・システム判例メモ
    voyage46
    voyage46 2013/08/16
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