人の思考は全て過去の経験や学びから作られていくものだ。何一つ独立して突然生まれるものではない。過去に何をしたか、何を読んだか、何を観たか、何を聞いたか。僕らの思考を形作るものは過去からの学びだ。 多様で豊かな完成や思考を身につけるには多くの文化に触れた方がいい。社会が豊かなものであるためには、社会は人々が本や映画、音楽など文化的成果物にできるだけ自由にアクセスできる環境を作ることが望ましい。 しかし、そうした環境を作る以前に本が失われてしまったら意味がない。20世紀初頭の太平洋戦争時、貴重な文化遺産ともいうべき図書館の蔵書が、東京大空襲によってまるごと喪失してしまうかもしれない危機に見舞われた。 日比谷図書館を始めとする東京中の図書館も空襲に見舞われ全館消失という惨事で実に44万冊もの本が焼かれてしまったという。 しかし、そんな貴重な蔵書を一冊でも戦争の火の手から守ろうと、本の疎開を行って